初の黒人大統領!第44代アメリカ大統領バラク・フセイン・オバマ

史上初の黒人大統領である。

アメリカ建国以来、黒人は常に差別に晒され続けてきた。南北戦争までは奴隷として使役されていたし、南北戦争後も迫害され続けた。

アメリカ建国から300年、アメリカの歴史は大きく変わった。

 大統領になるまでのバラク・フセイン・オバマ

バラク・フセイン・オバマは1961年ハワイで生まれた。父はケニアで生まれた黒人、母はカンザス州で生まれた白人である。

父はイスラム教徒であったがオバマ自体はプロテスタント系キリスト教徒であり、1964年には両親が離婚、以後オバマは母と共に暮らすことになる。

やがて母は人類学者となりインドネシア人と再婚、オバマは小学校時代をインドネシアで過ごす。

その後1971年には母方の祖父母と暮らすためにハワイに帰国、高校卒業後はカルフォルニア州にあるオクシデンタル大学に入学し、2年後にはコロンビア大学に編入、政治学などを学ぶ。

卒業後はニューヨークにある出版社に勤め、その後はハーバードロースクールに入学、卒業後はシカゴで弁護士業に従事、1996年からはイリノイ州議会議員として活動し、2004年にはイリノイ州選出の連邦議会議員に、2008年の大統領選に出馬し当選、史上初の黒人大統領となる。

第44代アメリカ合衆国大統領

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オバマは民主党大統領らしく国内の充実に力を注いだ。

「オバマケア」と呼ばれる国民皆保険制を実現させ、同性婚を容認、先住民の生活改善のために30億ドルもの予算を組むなど先進的な政策を次々と打ち出した。

さらにチェロキー族出身者をホワイトハウス上級顧問官に任命したようにアジア、アフリカ、ネイティブアメリカンなどの少数派も積極的に要職に採用し、米国連邦最高裁判官にはヒスパニック出身者であるソニア・ソトマイヨールを任命するなど革新的な人事に取り組んだ。

しかし一方で外交政策はこれまた民主党大統領らしく融和的で、「アメリカは世界の警察をやめる」という発言をしたことで国内からは弱腰と見られ、イラン、キューバとの国交回復も国内的には支持されなかった。

一方でアフガニスタンとパキスタンの駐留軍を増兵したもののプラハで行われた演説において「アメリカは核兵器を使用した唯一の核保有国として、行動を起こす道義的責任を有する」と発言し、現職の大統領としては初めて在職中にノーベル平和賞を受賞している。

個人的なバラク・フセイン・オバマに対する評価

内政を充実させ、マイノリティを積極的に採用し、アメリカの政治に新たな風を吹き込んだ大統領である。

しかし従来の「強いアメリカ」を望む層からの反発は強く、移民問題などを含めて保守層の反発を招き、それがドナルド・トランプの大統領就任という悲劇を起こしてしまう。

この辺りはアメリカの政治の難しさを表しており、象徴的であると思う。