ギリシャにはオリンポス山という険しい山があって、そこに神々が住まうとされた。
大神ゼウスをはじめティターン族以降の主要な神々はオリンポス12神としてギリシャのみならず周辺地域の信仰を集め、後に大帝国を作るローマでさえもその影響下にあった。
ローマがオリンポス12神を信仰したことは他民族への寛容や宗教への寛容を生み出したと言われており、その統治体制に大きく影響を与えたと言われる。
今回はそんなオリンポス12神について見て行こう!
オリンポス12神一覧と対応表
ギリシャとローマと英語では当たり前だが発音や読み方が異なる。まずはその対応表と一覧を見てみよう。
ギリシャ名 | ローマ名(英語名) | 役割 |
ゼウス | ユピテル(ジュピター) | 主神・雷神 |
ヘラ | ユノ(ジュノー) | 婚姻 |
アレス | マルス(マーズ) | 戦争 |
アポロン | アポロ | 予言・芸術・音楽・医療。太陽神 |
アルテミス | ディアナ(ダイアナ) | 狩猟・森林・純潔。月の女神 |
アフロディナ | ウェヌス(ヴィーナス) | 美と愛 |
ポセイドン | ネプテューヌス(ネプチューン) | 海 |
ヘスティア | ウェスタ(ヴェスタ) | かまど |
アテネ | ミネルウァ(ミネルヴァ) | 知恵・戦略・守 |
デメテル | ケレース(セレス) | 豊穣 |
ヘファイストス | ウォルカノス(バルカン) | 炎・鍛冶 |
ヘルメス | メリクリウス(マーキュリー) | 旅 |
むりやり12神にまとめてみたけれど実は候補はもう少しいて、酒の神デュオニソスなどが入る場合もある。ゼウスの兄である冥界の王ハデスやその妻春の女神ペルセポネは入らない場合がほとんどである。
中国の三皇五帝も合計で10人以上の候補がいるしどうにも切りのいい数字にしたかった感じがある。14よりも12の方がなんかしまりがいい感じがあるしね。
オリンポス12神はクロノスとレアの子供たちとゼウスの子供たちに基本的に分かれる。
ハデス・ポセイドン・ゼウスの3兄弟はもとよりヘラやデメテル・ヘスティアなどは基本的にクロノスの子供たちでアポロン・アルテミス・アテネ・アレス・ヘファイストス・ヘルメス・ディオニソスがゼウスの子供たちとなる。
アフロディナことヴィーナスだけはこれらとは別系統でクロノスの父ウラノスから分離した存在となる。
基本的にクロノス以前のティターン神族などは入らずティタノマキア以降に覇権を握った神々を指し、ギガントマキア、テュポーンとの闘い以降は12の神が世界の調和と平穏を守っている。
オリンポス12神それぞれの解説
ゼウス
ギリシャ神話最強の神にして主神。
基本的にギリシャ神話はゼウスの浮気に端を発しヘラの怒りによって神や人が大変な目に遭うことが多い。
ヘラ
ゼウスの姉にして正妻。婚姻を司るだけあってゼウスへの締め付けは厳しい。非常に嫉妬深く残忍でとにかく恐ろしい。
アレス
戦の神。ギリシャでは人気がないがマケドニアとローマでは大人気な神。ゼウスと正妻ヘラの子供である。
アポロン
ゼウスとレトの息子。レトの妊娠を知った時ヘラの怒りはすさまじかったため生まれるまで苦労した。ギリシャでもローマでも大人気の神。太陽神。
アルテミス
アポロンの双子の姉。ゼウスとレトの娘。生まれた瞬間に産婆の役割を果たす月の女神。
アフロディナ
美の女神ヴィーナス。唯一ウラノスから派生している。古来より様々な絵のモチーフになってきた。
ポセイドン
ゼウスの兄。くじ引きによって海の統治者となった。
ヘスティア
ゼウスの姉。かまどの神様なので動くことが許されていないので登場回数が非常に少ない。
アテナ
実はゼウスの長女。ゼウスが最初の妻メティスを飲み込むと額を割ってまで生まれてきた。イージスの盾を使うことが多い守りの神。攻めの神アレスとは真逆の性質を持つ。
デメテル
豊穣の神。ゼウスの姉。弟たちに言い寄られるという悲劇的な女神。ペルソポネの母親でもある。
ヘファイストス
火の神。ギリシャのあるあたりをバルカン半島と言い、火種だとみられていた。ゼウスとヘラの長男で奇形であったためにヘラに展開から投げ落とされる。話によってはヘラをかばったためにゼウスが投げ落としたとも。不憫ではるが美の女神アフロディナと結婚する。ただしめちゃ浮気される。どこまで行っても不憫だ・・・
ヘルメス
ゼウスの息子。兜をかぶると姿を消すことができる。健脚なためか旅や商売の神様とされる。ゼウスと並ぶ女性好きな神様。