史上最低のアメリカ大統領第43代ジョージ・ウォーカー・ブッシュ

アメリカは共和党政権になると戦争を開始する。大体12年周期でアメリカは戦争していると言い、それぐらいになると新たな軍備が必要となるからだ。

二次大戦後共和党政権は軍産複合体との癒着を繰り返してきた。

ジョージ・ウォーカー・ブッシュはそのような共和党の大統領の代表であろう。

 大統領になるまでのジョージ・ウォーカー・ブッシュ

ジョージは1946年コネチカット州でジョージ・H・W・ブッシュの長男として生まれた。

www.myworldhistoryblog.com

まさに政治一家と言え、祖父も政治家、父も政治家、そして息子も政治家、弟のジェブ・ブッシュもフロリダ知事となっている。

大学も父と同じイェール大学で、1968年に歴史学の学士号を取得し、後にハーバードでMBAを取得、後にテキサスの石油工業会社に就職。共和党の大統領は産業資本家の後押しを受ける人物が多かったが、ブッシュ親子のように自らが産業資本家になる例は現代特有の現象である。

後の政策を見れば明らかなように、ブッシュ親子の政策はオイルビジネスにいかに利益をもたらすかという点を中心に組まれており、そこに武器商人たちが絡み戦争を起こしている。地獄の沙汰も金次第。ブッシュ親子にとって人の命は金に返還できるものである。

1994年にテキサス州知事に当選、2000年の大統領選挙では民主党のゴアと激しい戦いを繰り広げ、一般投票では僅差でゴア、選挙人投票では僅差でブッシュとなり、ジョージ・W・ブッシュは第43代アメリカ大統領となった。

第43代アメリカ合衆国大統領

f:id:myworldhistoryblog:20190906185811j:plain

ブッシュが就任するとすぐに9.11事件が起きた。主犯はウサマ・ビン・ラディンとされ、アメリカはその潜伏先と言われるアフガンに対して侵略戦争を敢行、アメリカはその地に傀儡政権を建てることに成功したが、この時はラディンを逃している。

その後は父が取り逃したサダム・フセインを殲滅すべくイラクに侵攻、ブッシュ陣営は「大量破壊兵器がある」と謎の主張をして侵略戦争を開始したが、そのようなものはなかった。

イラク侵攻は単にブッシュ一族のメンツと軍産複合体の利益のために行われたに過ぎない。そこで死んだ人間のことなど、ブッシュたちにとってはどうでもよかったことであろう。

戦争とは大儀なきものであり悲しきものであるが、それでも一定の名分は存在している。しかしイラク戦争には何の名分も存在しなかった。ただの侵略に過ぎない。

しかしこのようなブッシュの政策は「強いアメリカ」を望むアメリカ合衆国民からは非常に評判が良かった。なのでブッシュは再選した。

再選したブッシュ政権で起こったことと言えばリーマンショックである。

二次大戦後は特に顕著だが、他の共和党大統領同様、ブッシュの内政政策には特に見るべきものは無い。

個人的なジョージ・ウォーカー・ブッシュの評価

個人的には何一つ好感の持てない大統領である。大統領というだけではなく人類として何一つ好感が持てない。

アフガン戦争については、そもそもビン・ラディンを打倒するのが目的であったはずなのに逃げられている。戦った人たちは何のために亡くなったのであろうか?

テロへの報復としてあまりにも関係のない人物を巻き込んではいなかっただろうか。そもそも論において本当にビンラディンが犯人であったのだろうか?

100歩譲ってまだアフガン戦争は報復という目的がある。それを肯定するかどうかは別だが。

イラク戦争に関しては1ミクロンも正当性がない。まるでジャイアンのように俺が殴りたいから殴るんだと言わんばかりである。

戦争とは確かに表と裏の目的が違う。しかし歴史上のどの政権もどの国家も表向きに戦争の理由をつける。ある時は王位継承権であったし、ある時は宗教の保護であった。

しかしイラク戦争は完全にそれをでっち上げてしまった。それが許されるなら何でも許される。

正当性のある戦争を許すかどうかはまた別の話だが、正当性の何もない戦争を許容すべきでは絶対にないだろう。

冷戦後、アメリカは完全なる一国支配を目論んだ。唯一の超大国としてできないことはない、全てはわが手の中に。

ブッシュの政策は「ユニテラリズム」と言われ、国際的な協調など一切お構いなしの政策であった。

彼には何の功績もない。唯一の功績は、もはや国際連合が形骸化したただの腐敗の蔓延したどうしようもない組織であることを露呈させたことだけであろう。

ブッシュのユニテラリズムは世界を深い絶望へと落とした。ブッシュが行ったことはそれだけである。