ジャニー喜多川さんがお亡くなりになって2日が過ぎた。
俺は特にジャニーズファンという訳ではないしもちろん会ったことなどはないが、なんだか寂しい気持ちである。
一つの時代が終わった。
率直にそんな感想がある。
それと同時にジャニー喜多川さんの死やその存在にはいろいろなことを考えさせられたので、折角ブログも始めたし記事にしたいと思う。
まずは故人を偲び、功績を称えたいと思う
ジャニー氏が日本の芸能界、ショービジネスに与えた影響は計り知れない。古くは郷ひろみ、たのきんトリオ、シブがき隊、ヒカルGENJIを発掘しプロデュースし、やがてSMAPや嵐を生み出した。
ジャニーズのタレントを見ない日はなく、テレビをつければジャニーズのタレントが大体映っている。番組に出てこなくてもCMに出てきたり、バラエティや音楽番組ばかりでなく報道番組にも現在進出しており、まさにテレビというものはジャニーズ事務所なくしては成り立たないと言った形だ。
シングル1位47組、439作品
これは偉大な記録であり、今後誰も抜くことのできない偉業であろう。
享年87歳。
心よりお悔やみ申し上げる。
日本のマスコミを狂わせてしまった人物でもある
本題に入ろう。
日本における「マスコミの自由度」は先進七か国の中で圧倒的に最下位である。
世界180か国の中で日本は67位、お隣の韓国が51位なので結構な差がついて日本のマスコミは不自由であるという烙印が押されている訳だ。
このランキングに与えた影響は実際には「特定秘密保護法」の存在が大きい訳だが、そのようなことを抜きにしても今の日本のマスコミに報道の自由があると思っている人はいないであろう。
ちなみにこのように日本のマスコミの報道の自由度が国際的に低いということも勿論あまりマスコミは公表しない。
そもそも第二次世界大戦の時代に「大本営発表」に加担してたマスコミが現在でも日本で支配的なのだから報道に自由なんてある訳がないし、日本ではジャーナリズムなんて根付かないのは今さら感があるのだが…
隠蔽され続けてきたジャニーズのスキャンダル
話をジャニーズに戻そう。
ジャニーズ事務所のスキャンダルをテレビやマスコミは報道しない。
「マスコミが報道しなければその事件はないようなものである」
これは逆説的だが正しいと思う。
普段我々はマスコミを通じてその事件を知る。マスコミが報じなければその事件は最初からないも同然である。
だからジャニーズが起こしたとみられるスキャンダルはないのである。
実際にはかなりゴシップも多いので、本当にどれが本当でどれが嘘であるかわからないのであるが、かなりの数のスキャンダルが闇に葬られてきたのは確かだ。
真偽不明なものを含めるとあまりにも数が多すぎるため今回はシェアしないが、これらはジャニーズ事務所を恐れるマスコミが意図的に流さなかったと言われており、その裏ではジャニー喜多川の姉であるメリー喜多川が動いていたという話もある。
ジャニー喜多川が発掘、プロデュースをし、メリー喜多川がその他実務的な部分を補う。ジャニーズ事務所はこの2人のタッグでここまで大きくなっていた。
SMAP解散に見られるマスコミとの力関係
日本という国に大きな衝撃を与えたのが「SMAPの解散騒動」だ。
騒動から3年も経つのにこの件は完全にタブーとされ、その真相はケネディ暗殺並の謎となっている。
「SMAP×SMAP」におけるSMAPの謝罪会見は日本中が「?」を頭に浮かべることになった。
なにせSMAPは「誰に」向けて謝罪したのかさえ分からなかったからだ。
きっかけは週刊文春の記事だった。
誌上でメリー喜多川はSMAPのマネージャーだった飯島氏に向かって「SMAPを連れて出て行きなさい」と述べ、実際に飯島氏が出て行こうとしたところ木村拓哉が事務所に残存の意思をしめし、SMAPは「メリー」に向かって公共の電波を使って謝罪させられたということだろうと思う。実際に謝罪動画のセンターにはリーダーである中居正広ではなく木村拓哉が立っていた。
この会見で問題なのは、フジテレビはジャニーズ事務所に逆らえなかったということだ。
日本のテレビ局は放送法によって守られたいわば半公共的な存在である。他国に比べて格安に電波利用権を得てテレビ局はいわば独占的にテレビ放送を行っている訳であるが、そのような存在があのような公開パワーハラスメントを公開いたところに日本という国の病巣があると思う。
あのような放送は流すべきではないであろう。あれをパワーハラスメントと呼ばずに何を呼ぶのか?
その後SMAPは解散し、2人は事務所に残留、3人は新しい地図として飯島氏と一緒に再スタートを切った。
しかし3人は地上波のレギュラーを次々と終われ、しばらくは地上波に出演していない。数少ない例外は香取慎吾が出演した「人生最高のレストラン」だが、これは「サントリー」の一社提供であり、当時サントリーのCMに香取慎吾が出ていたことを考えるとスポンサー圧力に押されてのことであろう。
しかしこれ以外はほとんど出演はない。
ジャニーズ事務所からの圧力なのかテレビ局側の忖度なのか、あるいはその両方か。
姉と姪の暴走をコントロールできなくなってしまった
ジャニーズ事務所の一連の流れを見ていると中国の歴史を見ているようである。ジャニー喜多川という皇帝がその取り巻きをコントロールできなくなる状況の中で優秀な部下が次々と離れていき本丸の影響力が低下をしていく。
ちょっと前にこんな記事を書いた
爆笑問題の太田がジャニー喜多川に会って元SMAPの3人のこともよろしくと言ったそうだ。
ジャニー喜多川自体はSMAPに対して愛情を持っていたようで、それは今も変わらないようだ。きっとそうなのだろう。
しかし後述する理由でジャニー氏は姉に頭が上がらなくなってしまったようで、その娘のジュリー藤島をコントロールできなくなってしまったのだろう。
そして悲しいことにジュリー氏にはマネージメント能力があまりないようだ。
TOKIOは山口メンバー問題で、NEWSは度重なる飲酒トラブルおよび未成年者問題、KAT-TUNは半減、セクシーゾーンの松島君は体調を崩してしまったし、平成ジャンプも人数が減った。唯一無傷かと思われた嵐が実は一番ボロボロで、来年2020年の解散が決まっている。
メリー氏が飯島氏を追い出したかった理由はここであろう。後継者争いが起きれば事務所の人間達は飯島についていく。実際飯島氏と共に何人かがジャニーズ事務所を辞めたようだ。
でも「72時間テレビ」を見ているとその理由がよく分かるよ。常に新しいことにチャレンジしているのは株式会社カレン(飯島氏が作った会社)のほうだ。
でもそんな理由でSMAPが解散させられたと思うととても悲しい。
マスコミが報道しないジャニー喜多川氏のスキャンダル
現在BBCの報道が注目を集めている。
BBCはご存知イギリスの報道局であり、ニューヨークタイムズなどと並ぶ世界でも最大級の大手マスコミだ。
BBCの記事ではジャニー氏の功罪について触れている。
一方で、物議をかもす人物でもあった。どれも証明されなかったが、パワハラと性的虐待の告発が繰り返された。
ジャニーズ事務所は業界であまりに圧倒的な存在だったため、ジャニー喜多川氏を批判することはほとんど不可能だった。強大なジャニーズ事務所を脅かそうと挑む人は、日本の主要メディアには皆無だった。
これはBBCの記事の引用であるが、短いながらに日本のメディアについて的確に言い表している文章だ。
俺が大学生の時の話。
日本のマスコミに疑念を抱いたある記事があった。それは当時購読していた「ニューズウィーク」の記事で、ジャニー喜多川氏が裁判で負けたというものであった。そしてそのことを日本のマスコミが一切報道しないということが書かれていて、まだ20歳ぐらいだった俺は実に衝撃を受けた。
実際日本でそのような報道がされたのを見たことがない。
一体信用できるのは日本のマスコミとニューズウィーク誌のどちらなのだろう?
この疑念は結局俺が新卒カードを捨てる一因にもなっていて、この国に対する深い疑念を呼び起こすものであったのでよく覚えている。
もう10年以上も前のことなのでその元記事はないが、wikipediaにそれと同内容のものが掲載されていたので引用したいと思う。
1999年(平成11年)、『週刊文春』がジャニーズ事務所に関する特集記事を掲載し、喜多川が所属タレントに対して同性愛行為を行い、事務所では未成年所属タレントの喫煙などがあると報道した。これに対しジャニー側は記事が名誉毀損であるとして、文春に対し1億円あまりの損害賠償を要求する民事訴訟を起こした。
2002年(平成14年)3月27日の一審判決では東京地裁は文春側に880万円の損害賠償を命じた。文春側はこれを不服として東京高裁に控訴した。2003年(平成15年)7月15日の二審判決では、ジャニー側の所属タレントへの同性愛行為を認定した(矢崎秀一裁判長)。このため、同性愛部分の勝訴は取り消され、損害賠償額は120万円に減額された。ジャニー側は損害賠償額を不服として最高裁に上告したが、2004年(平成16年)2月24日に棄却され(藤田宙靖裁判長)、120万円の損害賠償と同性愛行為の認定が確定した。
また、『ニューヨーク・タイムズ』、『オブザーバー』などの世界各国のメディアでも取り上げられ、この問題をタブー視するなどして報道しない日本のマスメディアの姿勢を指摘した[16]。
この事件のソースを探しているのだが、実は全然見つからない。海外のメディアでのみ取り上げられて、日本のメディアでは一切取り上げられていないのである。
そこで先ほども述べたような、「マスコミが報道しなければそれは存在しない問題」にぶち当たる。
一説にはこの件が表に出ないようにメリー氏が各社に働きかけをし、ジャニー喜多川はそれ以来姉に頭が上がらなくなったという。
それすら真相は闇に包まれたままだ。
元フォーリーブスの北公次という人物がジャニー喜多川氏の性的虐待を匂わせる暴露本を出している。それも内容が本当であるかはわからない。
あまりにも腐ったマスコミ ジャーナリズムの精神の欠片もない
ペルソナ5というゲームがある。
ゲームと侮るなかれ。その内容は現代日本が抱える問題をこれでもかと抉り出している。
その中でも最も恐ろしいのが「マスコミ」が完全に敵に回ってしまうことだ。
ある意味では「司法権」が敵に回ることよりも「マスコミ」が敵に回ることの方が恐ろしい。
今でこそ活躍している有吉は仕事がなくなっても顔が知られているためバイトも出来なかったと言っていたが、マスコミがその気になればその人物をこの国から事実上抹殺することが可能である。
そう、「印象操作」である。
日本のマスコミには前科が沢山ある。
先ほども触れたように「大本営発表」を行っていた新聞社は現在でもこの国のマスコミを牛耳っている。
それゆえにジャニー喜多川氏の本当のところが分からなくなってしまっている。
テレビは連日ジャニー喜多川氏の功績を称え、ひたすら偲ぶ声が上がっている。
それはいい。元々故人を悪く言う文化は日本にはない。
しかし、マイケル・ジャクソンの時を思い出してほしい。
各局はマイケルの偉大さを称えるとともに彼の性的虐待について報道したではないか。
ならばジャニー喜多川氏についても同様であるべきではなかろうか?
ジャーナリズムとは何であろう?
ジャーナリズムとは隠された真実を明るみにすることではなかったであろうか?
果たして日本のマスコミの存在意義とは何だろう?
少数の特権的な力を持った連中と癒着し、そこに忖度することなのだろうか?
ジャーナリズムは死んだ。マスコミによって殺されたのだ。