消費者金融を利用する上でブラックリストというものはあるのか?

日本衰退の象徴ともいえるのが「消費者金融利用者数1000万人」という数字な訳だが、その実態と人々の認識には一定の乖離があることも確かで、特に「ブラックリスト」なるものの存在がまことしやかにささやかれている。

今回はそのような「ブラックリスト」が存在しているかどうかという点について記事にしてみたいと思う。

www.myworldhistoryblog.com

「ブラックリスト」というものは無いが、それに類する存在はある

f:id:myworldhistoryblog:20190610211705j:plain

結論から言えば各金融機関側が「ブラックリスト」を持っているということはない。もう少し言えばその必要がない。

各金融機関の側がそのようなリストを作らなくても、そのようなデータベースが存在していて、それを金融機関側は見ることが出来るからだ。

2006年の制定以来、4度に渡る貸金業法の施行によって消費者金融の申し込みや審査などについてのインフラが出来上がった結果、消費者金融利用者のデータは信用情報機関と呼ばれる業者によってデータベース化され、金融機関側は利用者の申し込みや利用があった際にはその情報の登録や照会を行う義務を負った。

かつては信用情報機関も数が多く、その情報共有は完全ではなかったため、Aという機関でリスト入りしてもBという機関でリスト入りしていないため借入が可能だったという時代もあるが、現在は3つ、もしくは2つの業者に信用情報機関は統一されているためこのようなことは起こらなくなった。

具体的にはJICC(日本信用情報機構)とCIC(クレジットインフォメーションセンター)である。

www.jicc.co.jp

www.cic.co.jp

 これら2つの機関は「指定信用情報機関」と言われていて、基本的に利用者の情報はこれらの機関にデータとして全て残るようになっている。

両社の簡単な概要は以下の通り。

機関名 JICC (日本信用情報機構) CIC  
主要加盟会社系統 消費者金融系 信販・クレジット会社系
設立年 1976年 1984年
会員貸金業者数 1446社 339社
登録情報件数 3億1575万件 3億8599万件
照会件数 1103万件 1196万件

 

JICCは消費者金融が多く利用していて、CICはその名前の通りクレジットカード会社と信販会社が利用しており、両者はデータベースを通じて即座に情報の共有を行っており、これに銀行が多く加盟するJBA(全国銀行個人信用情報センター)を加えて信用情報は共有されることになっている。

www.zenginkyo.or.jp

信用情報機関にはどんな情報が共有されているの?

これら三つの機関に信用情報が共有される訳だが、具体的には以下のような情報が共有されることになる。

情報の種類

情報の内容

登録期間

本人を特定する情報

氏名・生年月日・性別・住所・電話番号・勤務先・勤務先電話番号・運転免許証など本人確認書類の記号番号

契約内容に関する情報などが登録されている期間情報

契約内容に関する情報

登録会員名・契約の種類、契約日、貸付日、契約金額、貸付金額、保証額など

契約内容に関する情報などが登録されている期間

返済状況に関する情報

入金日・入金予定日・残高金額・完済日・延滞など

契約継続中及び完済日から5年を超えない期間 *ただし、債権譲渡の事実に係る情報については当該事実の発生日から1年を超えない期間

取引事実に関する情報

債権回収・債務整理・保証履行・強制解約・破産申立、債権譲渡

当該事実の発生から5年を超えない期間*ただし、債権譲渡の事実に係る情報については当該事実の発生日から1年を超えない期間

 申し込みに関する情報

 本人特定する情報(氏名や生年月日、電話番号及び運転免許証などの記号番号など)・申込日及び申し込み商品種別など

 申込日から6か月を超えない期間

簡単にいうとほとんど全ての情報が登録され、共有されることになる。

住所氏名はもちろん利用しているとすればどれぐらいの金額でどれぐらいの期間借りているのか勤務先はどこなのかなどなど、利用に関する情報は余すことなく即座にデータベース化されることになる。

金融事故を起こすと解決から5年間はお金を借りられなくなり、これをブラックリストと呼ぶこともある 

「ブラックリスト」なるものはないが、ブラックリスト的にお金を借りられなくなるのは、信用情報機関において金融事故を起こしたという情報が登録されるためだ。

一口に金融事故と言っても種類があって、具体的には長期延滞(61日以上)、債権回収・債務整理・保証履行・強制解約・破産申立、債権譲渡の七種類がある。

普通に借りて普通に返済していれば問題ない。

30日間、すなわち一月支払われなかっただけでは金融事故にはならないが、2か月を超える期間返済が滞ると長期延滞と見なされ、金融機関側から金融事故として扱われる可能性が出てくる。この辺りは金融機関側にも差があって、61日以上はアウトとするところと91日以上はアウトとするところに分かれる。

銀行のカードローンやキャッシングなどは61日でアウトだが、消費者金融は91日アウトとする傾向にあるようだ。

破産などは分かりやすいが、特定調停や任意整理などの債務整理なども金融事故に含まれるため注意が必要で、銀行カードローンを利用していて返済が滞り、保証会社が代位弁済する場合なども記録される。

要は、金融機関側がこの人に貸しても回収の見込みがないと判断したらアウトな訳だ。

このような金融事故の記録は基本的に五年以内にその情報が破棄されることになるが、返済が滞った場合などは返済が完了した時から五年になるため注意が必要である。

自分の信用情報は照会できるが注意が必要

金融機関ではなくても、信用情報機関に自分の信用情報を照会することはできる。

ただしこの信用情報機関に情報照会したことも記録として残るため注意が必要。

なぜなら、頻繁に自分の信用情報を照会するということは、自分の信用情報から金融事故の記録が消えているか確かめているケースが多いため、審査などで著しく不利になることがあるのだ。

一回カードローンの審査に落ちると二回目以降不利になるって本当?

カードローンの申し込みをしたことも記録されるし、審査で落ちたことも記録される。そうなると、他で審査に落ちたという前提になるため、審査に通りにくくなるのは確かなようだ。

これは、就職面接において、有名企業から内定が出ると他の面接で有利になるが、内定がないとそれが不利に働くのに似ているかも知れない。

 消費者金融が提供するカードローンやキャッシングというのは、無担保でかつ保証人がいないという金融機関側にとって非常にリスクが高い貸付になっており、その審査には慎重にならざるを得ない。

疑わしきは金貸さずなのだ。

一般的なカードローンの審査率は、消費者金融各社が40%から45%ほど、銀行カードローンだと20%前後と言われていて、結構厳しめになっている。他の金融機関が貸さなかった相手に貸しても、回収の見込みは低いと言えるだろう。