司法試験受験者が5000人を下回ったらしいので自身の黒歴史と共にその原因について考えてみたいと思う

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最近はテレビも新聞もニュースもあまり見なくなった。ヤフーニュースさえも最近は怪しい。

それでもグーグルディスカバリーは最近の話題を届けてくれる。

それによると、5月15日は司法試験があったらしい。

で、その受験者は5000人を下回ったらしい。

個人的には「マジで?」と声を出したくなるようなニュースだ。

www.nikkei.com

 15年でわずか10分の1

さすがに驚いた。俺が大学生の頃、記憶違いでなければ数万人の受験者がいたからだ。

記憶違いかと思って司法試験の受験者数を調べてみた。

すると全盛期ともいえる平成15年にはたしかに50000人の受験者がいたようだ。

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引用元:http://www.moj.go.jp/content/000054973.pdf

やはり記憶違いではなく、かつては数万人の受験者がいた。

合格率はやっぱり3%とかだったし、それからまだ15年と経っていなかったようだ。

ちなみに平成23年以降はこんな感じになっている。

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引用元:https://www.nichibenren.or.jp/library/ja/jfba_info/statistics/data/white_paper/2017/1-3-2_tokei_2017.pdf

確かにものすごい勢いで司法試験の受験者数が減っているようだ。

かつての挫折経験

なんだってこんな風になったのかを考える前に、少しだけ俺の大学時代を語ろう。

他の記事でも書いているように、俺は法学部の出身だ。大学1年生の頃からバリバリに司法試験専門の予備校に通い、そして大学2年生の秋に完全にぶっ壊れて挫折した。

当時はかなりおかしくなっていて、自宅のある千葉県から渋谷まで夜中自転車で往復したり、わけもなく街を徘徊したり、とにかく精神的にヤバかった。

その挫折感をそのまま引きずり新卒での就職はせず、この世の藻屑のような生活を今までしてきた訳だが、それは俺だけではなく、かなりの人間が人知れずそうなっていったのだった。

そりゃそうだ。合格率3%ということは、100人受けて3人しか受からない訳で、残り97%は合格しない。

合格しなかった者は多くが司法浪人となる訳だが、新卒至上主義の我が国日本において、それは就職を放棄するということでもあった。

「司法のヌマ」

当時はそのような言葉があった。

真面目に毎年自殺者が出ていたし、図書館に行くと青白い顔をして択一の問題集を解いている人とかが沢山いた。あれは多分卒業生だったんだと思う。

賭けたなにかが大きいほど撤退できなくなる。

これは試験に限った話ではなく、投資などもそうだし、サイト運営とかもそうだ。

なので「損切」は非常に重要である。

俺はかつて「損切」をした。

これ以上やっても芽が出ない。そう判断したのだ。

このブログでは結構自分の黒歴史的な部分を沢山出している。そういった黒歴史は時としてプラスになり、報われることもある。

例えばこの記事↓だ。

www.myworldhistoryblog.com

黒歴史ではあるが、プラスに変換された良い例だと言える。

しかし、司法試験の挫折に関しては未だに良い経験には成り得ていない。

予備校につぎ込んだ分のローンは現在でも払っているし、挫折感から完全に自信を失ってしまった。

よく就職試験で「あなたの挫折経験は?」などと寝ぼけたことを聞かれるが、本当の挫折経験なんて人に話したいものではない。

挫折したものはただ静かに消えて行くだけだ。

かつての至司法浪人生は、一体どこに消えて行ったのだろう?

俺の大学がそうであったように、法学部に入ったからには司法試験を目指すというのは当時は当然のことのように受け止められていた。教授や講師たちはそれを推奨していたし、学校側のバックアップさえあったほどだ。

あれからずいぶん時が経った。

大学卒業以来、一度として六法は開いていない。

なぜ、こんなに司法試験受験者は減ってしまったのか?

現在の司法試験の合格率は25%ほどであるらしい。率だけで見れば俺が大学せいだったころの10倍ぐらいで、合格者数は増えている。

ここ最近の司法試験事情には詳しくないので少し調べてみたが、現在の司法試験は法科大学院ルートと予備試験ルートの2つがあるらしい。

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引用元:https://www.itojuku.co.jp/shiken/shihou/about/shihouseido/index.html

あれ?チャンスめっちゃ増えてんじゃん?と思った。

そんでもって件の記事をよく読むと「法科大学院修了者」の受験者が5000人を下回ったという話だった訳か。

「司法試験がスタート 8会場で、初の5千人割れ 」というのは正確ではなかったようだ。

予備試験は5月の19日に行われる訳で、今年はまだ行われてすらいないのね(--;)

で、予備試験をどれぐらい受けるか調べたら、去年は14000人弱ほど受けていた。一昨年は12000人強ぐらいだったので予備試験を受ける人が多くなっているらしい。

それを含めてもまぁ、俺が大学生の時よりも受験者は少なくなっているとともに、法科大学院構想は失敗だったという結論が出た訳だ。

法科大学院の構想に無理があることは、当初から分かっていたはずなのだが、こうも数字ではっきりでるとなぁ。

弁護士の平均年収は下がっているらしい

法科大学院とか関係なしに、司法試験の受験者が激減したのは確かだ。

予備試験と法科大学院生を足しても20000人に達しない訳で、それでも全盛期の半分未満である。

なんでこんなに少なくなったんだろうと思って調べたところ、弁護士の所得がかなり減っているらしいことが分かった。

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引用元:弁護士の給料半減! 年収200万~300万も当たり前の悲惨な現実 | プレジデントオンライン

数年で下がりすぎだろう…

民間企業に比べれば高い水準であるが、医師か弁護士とさえ言われた職業がこうなるのかよと。

以前、司法制度改革より以前、大学OBの弁護士に「弁護士の数は足りているのか?」と聞いたことがあるが、答えは十分すぎるほど足りているというものであった。そこから大幅に増やしたら、当然こうなる。

つーかよく調べたらこれ、一部の自治体の地方公務員の方が高いぐらいじゃないか。

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引用元:地方公務員 市区町村別年収・収入ランキング【全1741市区町村を網羅】年収ガイド

なんというか二重に酷い話だ。公務員の給与高すぎだろう…

いや、弁護士の給与が低すぎるのか。。。

どちらにしてもこの国どうなってるんだ状態な訳だが、この状況だと受験者が減るのもわかる。公務員試験受けた方がいいからな…

これはもう、司法試験制度というよりも、もっと大きな枠組みでの失敗であるような気もする。

お金じゃないとは言ってもさぁ…

この状況を打開するにはやはりインフレしかないだろうな。

gendai.ismedia.jp

いやぁ、なんというか、思わぬ方向に話が行ってしまって、かなりブルーな気持ちになってしまった。

diamond.jp

この事態は割と俺が大学生ぐらいの頃から言われていて、アメリカやドイツでは弁護士がありまってタクシードライバーやりながら弁護士やっている人もいるような状態で、一方大手事務所の中には莫大な賠償金をせしめるような悪質なやり方も横行していて、日本もこれからそんな感じで訴訟大国みたいになっていくのかなぁ。

アメリカでは医療制度と司法制度が国民を苦しめる存在以外の何者でもなくなっていて、中間層が没落する原因にもなっている。

business.nikkei.com

貧富の差は世界恐慌の時代より大きくなっており、そのことがトランプ政権を誕生させるきっかけにもなっていた訳で、アメリカだからと言ってなんでも見習えばいいってもんじゃないんだよなぁ。

北欧式教育もアメリカ式司法制度も、日本は輸入に失敗してしまった。

後者が明確に露呈したのが今回の司法試験受験者の激減だったな。

「何を見ても何かを思い出す」というヘミングウェイの小説があるけれど、「何を見ても日本の失政を思い出す」状態になってしまったよ。