共和政ローマにおける各役職の序列は以下のようになる。
今回はローマにおける各役職について見て行こう!
プラエトル(法務官)
日本では法務官と訳されるが、その権限は軍事的な部分が多く、軍事体験であるインペリウムを内包していた。
共和政ローマ発足時は1人であったが、内乱の1世紀において8名になり、最終的に16人になったという。
一説にはコンスルができる前からの役職であり、元々は軍事をつかさどる役職であったのが段々とコンスル不在時の内政に役割が移譲し、法務関連を司るようになっていったという。
属州が増えるごとにプラエトルの数も増え、属州ごとにプラエトルが置かれるようになっていった。
ローマにおいてはコンスル不在時の平民会の招集が主な役割であったという。
エディリス(按察官)
按察官という聞きなれない役職。アエディリスという表記がされる場合もある。世界史においてカタカナの表記というのは永遠の問題なのかも知れない。
按察というのは取り仕切るという意味の日本語で、公共建築の管理や祭事などを担当する役職であった。
ローマの役職では唯一その始まりから貴族2人、平民2人という出自による選出が決まっていた役職で、上記以外にも様々な分野での調整機関として機能していたようである。
中には物価の調整や剣闘士の管理なども職務に含まれたようで、ローマの行政を円滑に行うのには欠かせない役職であったと言える。
ローマ市内の治安維持もその職務であり、警察権力のトップでもあり同時に道路の管理なども任されていたというからその職務の広さ半端ないって!
クワエストル(財務官)
財務官と訳されることもあるが会計検査官の方がより正確な訳語であると主張する者もいる。
当初は2人だったのだが、共和政末期には40名にもなっており、財政だけでなく裁判なども行ったようである。
元々はコンスルを補佐する役割の役職で、都市の政務担当だけではなく戦闘においてもコンスルを補佐する役割が求められたため、その数は増えていった。
ローマ政界の登竜門的な存在でもあり、後にコンスルになる人間はクワエストルを経験した人物が多かった。クワエストルになることはいわば出世コースにのるということでもあったようだ。
ケンソル(監察官)
人口調査が主な仕事であった。ギリシャのソロンしかり発展する国は国内の実態をきちんと把握するよう努めるものである。
もちろん人口だけを調査した訳ではなく各世帯の財政状態などもしっかり調べた。仮にここでちょろまかした申告をすると貴族だろうが平民だろうが罰する権限を持つ。現代で言うところの国税局である。
それゆえに監察官よりもこちらを財務官と訳した方が良いという意見もある。
その権力は中々の者で、現在で言うところの財務省的な存在であったと考えられている。