明・清時代
世界史は様々な人物たちが織り成すドラマである。 一体どれほどの人間達が生まれ、そして死んでいったのかはわからないが、歴史は時として英雄を生み出す。 中華4000年の歴史を考えた際、モンゴル民族を打倒し漢民族の王朝を復活させた洪武帝こと朱元璋以上…
暴君と暗君は違う。暗君は国家の大事に何もせずにいて衰退もしくは滅亡を招く存在であるが、暴君は意図的か否かは別として政治に積極的に介入することで国の衰退や滅亡を招く。 前者の代表は宋の徽宗や明の天啓帝で、後者の代表は隋の煬帝や秦の始皇帝であろ…
歴史というのは一定のリズムを繰り返す音楽のようなところがある。 中国の歴史においては巨大な統一王朝が興るとその末期には大規模な反乱が起こり、その王朝は滅亡していく。 秦時代の陳勝・呉広の乱、漢の赤眉の乱および後漢の黄巾の乱、唐の安史の乱はも…
人が生きる現世には数えきれないほどの不幸が眠っている。 人は高いところから落ちた時ほど衝撃が大きくなるものだが、そういった観点から見ても各王朝の最期の皇帝は悲惨だ。 有名なのは三国志に出てくる後漢最後の皇帝献帝であろう。 彼個人は利発であった…
人類の歴史は虐殺の歴史でもある。 近年ではナチスヒトラーによるユダヤ人大量虐殺が有名だが、歴史を見ると人類は実に多くの虐殺を行っている。 中国の歴史においても大量虐殺がしばしば行われているが、明末清初を生きた張献忠はその事情が少し異なる。
人類の歴史には、たびたび裏切り者が登場する。 日本史における小早川秀秋やカエサルに恩がありながら暗殺の実行をしたブルータス、イエスを売り渡したユダなど。 しかし意外なほど中国の歴史においては裏切り者は少ない。三国志の呂布のような奴はいるが、…
中国の歴史はしばしば宦官によってその形を歪めてきた。 有名なのが後漢時代の党錮の禁で、伝統的な漢における官僚登用制度「郷挙里選」で採用された清流派の官僚たちを宦官が弾圧した事件で、多くの有能な官吏が死に、それは黄巾の乱が起こって初めて解除さ…
長い中国の歴史において、武力的に見れば最盛期は漢の武帝の時代、文化的に見れば明代がその最盛期であったと言えるだろう。 四代奇書と言われる三国志演義、水滸伝、金瓶梅、西遊記もこの時代に花開き、書、絵画、戯曲など現在にも伝わる傑作が数多くこの時…
名軍師と聞いてどんな名前が浮かぶであろうか? 多分大体の人が最初に諸葛亮孔明を浮かべ、中国史に詳しい人は張良、あるいは太公望の名前を浮かべるかも知れない。 この3人は中国史に名を刻む名軍師たちで、それぞれ蜀、漢、周という国の建国に深く関わって…
歴史には人物から見る面と出来事から見る面の2つがあると思います。 例えば三国志なんかは歴史的にみれば「中国が3つの国に分かれて相争った」という1文で完結してしまいますが、その時代に生きた人物を列伝とした見た時、その魅力は大きく増すと言ってよ…