ギリシャ神話のほぼ全部の話に登場し、神統記、労働日々、アガメムノン、アエネイスと言った世界史上の傑作文学にもそっちゅう登場するのが大神ゼウス。
ギリシャ神話の話は大体ゼウスが浮気をして妻のヘラが怒り狂うという流れが鉄板で、子どもたちは結構ひどい目にあっていたりする。
最近だとパズドラみたいなゲームでも大人気!
オリンポス12神筆頭、ギリシャ神話の主人公にしてローマの最高神ユピテルでもあるゼウスについて見て行こう!
誕生から主神となるまで
どこの国にも建国神話はあるもので、日本建国神話にしても北欧神話にしても中国の神話にしても最初にどうやってこの世界ができたかについてから神話は始まる。
ギリシャにおいて、世界は混沌(カオス)から生まれた。ある時地母神であるガイアが生まれ、天神であるウラノスが誕生することになる。ウラノスとガイアは次々と子供を産むが、保身を考えたウラノスによって子供たちは地中深くに閉じ込められてしまう。
そんな中、ガイアはウラノスの目を盗み新しく生まれたクロノスを隠し育てることに成功、クロノスはやがてウラノスを打倒する。
クロノスは姉であるレアと結婚して次々と子供を産むが、今度はクロノスが父と同じように子供たちを次々に飲み込むようになる。
困ったレアは新しく生まれた子供の代わりにクロノスに石を飲み込ませることに成功した。こうして生き延びたのがゼウスである。
ゼウスは祖母であるガイアから薬をもらうと母であるレアに頼んでクロノスに飲ませた。するとクロノスは今まで飲んだ神々を吐き出した。この中にはゼウスの兄であるハデスやポセイドン(ネプチューン)、姉であるヘラやデメーテル、メティスなども含まれていた。
ゼウスを中心としたオリンポスの神々はクロノスを撃破することに成功。その後ティタノマキアにおいて巨人族との闘いにも勝利し、その後は誰が主神となるかでもめたがくじ引きによりゼウスは大神となり、冥界は長兄であるハデス、海はポセイドンが治めるようになった。
ゼウスと妻と子供たち
ゼウスの妻というとヘラのイメージが強いが、最初に結婚したのはティターン神族のメティスであった。
ティターンは巨人を表すタイタンたチタンなどの語源にもなっているが、ウラノスとガイアの子供たちを指す言葉で、巨神族とも訳される。クロノスやレアもそういう意味ではティターン神族ともいえる。Zガンダムにでてくるティターンズもここから名前をとっている。
ゼウスとメティスの子供はゼウスをも超える!という予言を祖母のガイアがしたのでゼウスはメティスごと飲み込むが、なぜか額からアテネが生まれた。
アテネは闘いの女神であり、ギリシャのアテネの名前の由来であり、トロイ戦争を引き起こした女神でもある。
その後はテミスという女神と結婚するがその間にヘラにも求婚。ゼウスはこの先もそうであるように姉であるヘラには逆らえなかったようで、テミスとは離婚する。神々でも重婚はできないらしい。
ヘラとの間に生まれたのが闘いの神アレス(マルス)である。王政ローマ最初の王ロムルスはマルスの子供であるとされ、ローマに多い「マルクス」の名はマルスから来ている。
その後は冒頭にも述べた通りゼウスは浮気をしまくる。
女神との間にも浮気するし人間の女性相手にも浮気しまくる。
アポロンやアルテミス、ディオニソスと言ったオリンポスの神々やペルセウス、ヘラクレスなどの英雄もゼウスの子供たちである。
完全に下半身で生きているのがゼウスという神なのだ!
ゼウスの装備と戦闘能力
ゼウス専用装備である「輝き」という名の鎧を着て盾はかの有名なイージスの盾(アイギスの盾)、武器は最強の材質でできているアダマンタイトでできた鎌や地上および宇宙を一瞬で焼き付くと言われるケラウノスと呼ばれる雷を使う。
その実力はオリンポスの神々の中でも最強であり、あらゆる神々の中でも最強クラスの実力の持ち主であると言っても良いだろう。
一言でいうと完全にチートである。
その力を以て父親との戦闘(ティタノマキア)やティターン神族との闘い(ギガントマキア)に勝利。
かつては味方であった祖母のガイアはゼウスの行いに不満を持ちタルタロスとの間に最強の怪物テュポーンを生み出す。
地球を表すガイアが生み出した究極生物を前にゼウスは一度敗北してしまうが、運命の3女神の策略もありテュポーンの無力化に成功。ギリシャ神話によれば世界に平穏と安定がもたらされたのであった。
ゼウスの存在が後世に与えた影響
ゼウスはもちろん神話上の登場人物なのだが、その存在は人類の歴史に大きな影響を与えた。
オリンピックは元来ゼウスを称える祭典であったし、後に西洋におけるすべての物語に影響を与えたと言われるホメロスの叙事詩にも登場し、後世のルネッサンスに大きくな影響を与えたローマ最高文学と呼ばれるアエネイスにも登場。
ゼウスの息子であるアポロンを祀ったデルフォイ神殿はギリシャの政治を常に左右したし、アレキサンダー大王は実はゼウスの息子だという神託を得て大遠征を決意したのだという。
ゼウスのラテン読みの英語読みのジュピターは木星を表す単語であり、現代社会にも影響を与えていると言える。
ゼウスは時として無邪気で、時として傲慢で、時として正義感が強く、時として残酷で、時として優しく、いい意味でも悪い意味でも人間らしい神である。
そういった部分が時空を超えて人々に愛される所以であるのかも知れない。