世界史の範囲は広い。本当は全ての書籍を読むのが理想的だろうが、それは物理的に不可能である。
今回は特に受験や試験に出やすいギリシャ文化史についてまとめてみた。
*赤は絶対覚える必要のあるやつなのでしっかり覚えよう!
ギリシャ悲劇・喜劇・叙事詩
まず絶対に抑えておきたいのは以下の3大ギリシャ悲劇とその作者。これはものすごく良く出る。そして結構覚えやすい。作者名と作品名の最初の文字の母音が共通しているからだ。 A,O,Eみたいな感じで。
作者名 | 作品名 |
アイスキュロス | アガメムノン |
ソフォクレス | オイディプス王 |
エウリピデス | メディア |
ギリシャ喜劇はそれほど出てこないんだけど、「アリストファネス」が書いた「女の平和」は覚えておいた方がよい。内容はまぁ、男ってのはどうやっても女性に逆らえないよねって感じ。
次に以下の叙事詩と作者も絶対に覚えておきたい。
作者名 | 作品名 |
ホメロス | イリアス オデュッセイア |
ヘシオドス | 神統記(テオゴニア) 労働と日々 |
ホメロスは西洋全体でも崇め奉られている詩人で、後のヨーロッパ文学の全てに影響を与えたとさえ言われているぐらい重要。
内容はトロイ戦争についてで、実際には24篇あったらしいのだが、現存するのが「イリアス」と「オデュッセイア」の2篇だけとなっている。
ヘシオドスも歴史に名を残す詩人で、主にギリシャ神話についてまとめている。ゼウスとかヘラとか出てくるそういう奴。「神統記」はカオスからガイアが誕生し、オリンポス12神の誕生するあたりの話で、「労働と日々」はプロメテウスやパンドラなんかが出てくる話。この辺りについて沢山語りたくなってくるけど、今回は残念ながら割愛する。
他にもおさえておくべき詩人としてレスボス島出身の女流叙事詩人「サッフォー」や「アナクレイオン」や「ピンダロス」あたりなんかも抑えておくと良い。
ギリシャ哲学など
ソクラテスの胸像
中世ヨーロッパにおいては「哲学は神学の婢」なんて言葉があって、現代でもなんかめんどくさそうなイメージがあるかも知れないけれど、この頃には哲学とか進学とか生物とか歴史とかそういう区分はなくて、全部がある意味ごっちゃだった。ごっちゃだったところから政治学とか歴史とか生物学とか医学とかそういうのが独立して言って、最後に残ったのが哲学だったという話。
それはさておきギリシャ哲学においては以下の人たちを抑えておきたい。
人物名 | 内容など |
ターレス(BC.624~BC.564) | 万物の根源は水 |
ピタゴラス(BC.582~BC.497) | ピタゴラスの定理 |
ヘラクレイトス(BC.544~BC.?) | 万物は流転する |
デモクリトス(BC.460~BC.370) | 原子の存在を主張 |
プロタゴラス(BC.485~BC.415) | ソフィスト、普遍的真理の否定 人間は万物の尺度 |
ソクラテス(BC.469~BC.399) | 無知の知 |
プラトン(BC.427~BC.347) | イデア。国家論やスクラテスの弁明の著者 |
アリストテレス(BC.384~BC.322) | 「政治学」などの著作。アレクサンダー大王の家庭教師 |
万物の根源は何か?
それがギリシャの哲人たちには重要だった。ある人はそれを水に求め、ある人はそれを人にあると言った。そういった流れの中で原子の存在などの仮説が生まれていくのである。
未だに原子を見た人はいない訳で、それを今から2500年ぐらい前の人が原子の存在があるんじゃないかって考えること自体がすさまじいやね。
これらの哲人たちが考えたことが現代科学の基礎になっている訳で、その影響力たるや計り知れない。
これらの人物がいなければ今こうやって皆やってるインターネットとかなかったかもね。
それが人類にとって幸福であったかどうかまではわからないけどさ。
さて、哲学者以外にも以下の人物たちはしっかりと抑えておきたい。
人物名 | 功績や著作物など |
ヒポクラテス(BC.460~BC.375) | 医学の父 |
ヘロドトス(BC.485~BC.425) | 歴史の父 「歴史」 物語風に歴史を語る |
トゥキディデス(BC.460~BC.400) | 科学的歴史叙述の祖 「歴史」 |
例えばモンゴルの歴史などは現代にあまり伝わっていない。それはモンゴル民族が歴史を残すということについてあまり重視していなかったからだ。日本も奈良時代以前の歴史はあまり残っていない。同様の理由からだ。そもそも文字のない文化もある。文字がないと歴史を残すのは難しい。
古代ギリシャ人はきちんと歴史を残すことに熱心だった。おかげで中世のあたりにルネッサンスが起こり、あるいは産業革命へとつながったと言えるかもしれない。
そういう意味でヘロドトスとトゥキディデスの功績は大きい。
ギリシャ建築と彫刻
ミロのビーナスに象徴されるようにギリシャでは彫刻が盛んだったし、建築技術は非常に高かった。
彫刻家・建築家としてはフェイディアス(BC.490~BC.430)の名前は抑えておきたい。ペリクレスと同時代の彫刻家兼建築家で、アテネの女神像やゼウス像などの彫刻やパルテノン神殿の再建工事を行った人でもある。残念ながらそれらの像は残っていない。
建築に関してギリシャ人はかなり高い技術を持っていた。中には未だに残っているものもあるから驚きだ。
ギリシャの建築様式は主に3点があって、色々ごちゃごちゃ書いてあって正直ものすごくわかりニクイ。
初期:ドーリア式 パルテノン神殿など
写真はパルテノン神殿
柱が無装飾なのが大きな特徴
中期:イオニア式 エレクテイオンなど
写真はエレクテイオン
柱の頭に渦巻式の装飾がつけられているのが特徴。
後期:コリント式 パンテオンなど
写真はパンテオン
柱は細くなり、装飾は複雑化、華麗・繊細な印象を与える。
3つの建築様式についてすごくわかりやすいサイトがあったのでそっちを見るのがよいと思う。