俺の好きな火ノ丸相撲が終わってしまった…悲しい

俺は30年近く少年ジャンプを読み続けているジャンプっ子で、ここ数年は何よりも「火ノ丸相撲」という漫画が好きだった。

その「火ノ丸相撲」が本日、2019年7月22日に終わってしまった。

悲しい。

高校篇は文句なしに神漫画であった

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俺は基本漫画は好きだが、少年ジャンプ以外の漫画には疎い。マガジンもサンデーもチャンピオンもその他の雑誌連載されている漫画のことはよく知らない。

そんな少年ジャンプ漫画の中でも単行本をそろえているのは稀だ。

毎週読んでいるというのもあるが、単行本でそろえたいというのはよほど好きな作品に限り、実は全巻揃えている漫画というのはほとんどない。

「スラムダンク」は全巻揃っていたが、引っ越しのために数日前に全巻セットで売ってしまった。

現在連載中の漫画で単行本を買っているのは進撃の巨人と火ノ丸相撲ぐらいのもので、つまりはそれぐらい俺はこの漫画が好きであったわけで、特に学生篇は毎週本当に楽しみにしていた。

もう少し言うならこの漫画の為だけに少年ジャンプを買い続けていたと言っても過言ではない。

読んだことない人のために簡単にストーリーを説明すると、身長150cmの高校生潮火ノ丸が横綱を目指すというもので、並み居る強敵たちに勝ったり負けたりしながら仲間たちと共に成長していく友情・努力・勝利を根底としたいかにも少年ジャンプらしい作品である。

大相撲の規定では身長が167cm以上ないと力士に成れない訳だが、学生相撲で傑出した成績を残すことが出来れば「付け出し資格」が取れて大相撲の力士になれることが出来る。

この資格を取るためには個人戦か団体戦で全国優勝するかしかない。

しかし潮の時代は「国宝世代」ともいわれ、近年稀に見るほど才能を持った強者だらけで、その資格を得るためには三日月宗近とあだ名される中学生横綱沙田 美月、高校生になってから社会人まで含めての試合で無敗の天王寺 獅童、さらに歴代最強の横綱であり最後の日本人横綱であった大和国の一人息子、高校1年生で190cmを超え「神」と呼ばれる久世 草介などを倒さなければならない。

潮自体もかなり強くて、小学生横綱にまでなったのだが、身長がまるで伸びず中学では公式戦でまるで勝てず、一時期は相撲から遠ざかっていた。

序盤でいきなり同世代の中学横綱三日月宗近と戦うなど非常にテンポの良い作品で、久世や天王寺には一度敗北するなどなかなか苦戦したりもするのし、個人戦では早々にきえてしまったあげくに怪我をするなど結構絶望的になるのだが、潮をプロにさせたいと仲間たちが奮起する様は泣けた。

 ある種結果は分かっているとはいえ、仲間たちと共に全国優勝した時には「これぞジャンプの漫画だ!」と一人ではしゃいでいたものだ。

小さな力士が大きな力士を倒すというのは現実の相撲でもだいご味の一つだが、潮の母親が死に間際に「大きく産んであげられなくてごめんね」と言って死んでいく様は非常に泣け、最後にナレーションで「その身体は誇らしい」と入って潮が泣いていたのを見た時には本当に泣けた。

高校篇は本当に最高の終わり方をしたと思う。

大相撲篇は失敗だったのか

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高校篇においても不満がない訳ではなかった。

「国宝」が沢山いたので、期待させていたくせに弱かったじゃねぇか!という人物が何人かいて、青森の数珠丸と鳥取の大包平の二人は特にガッカリ過ぎる活躍しかできず、また現役大関の弟大典太などは潮どころか国崎とい最近レスリングを始めた人間に負けてしまう始末。

大相撲篇ではこれらの人物をなんとか活躍させようとした結果、高校時代の強キャラが弱体化するという結果になってしまう。

高校篇で最強だった久世なんかは最終的に7勝8敗、天王寺にいたっては途中怪我で休場する始末。

天王寺はともかく久世に関しては高校時代無敗で、ただ一人潮が最後に倒して涙した訳だが、その涙を返せ!と言いたくなってしまう。

久世は確かに強いけれども人気のないキャラクターで、人気投票も確か13位とかだったのでそのように冷遇されたのかも知れないが、それにしたってあまりにひどい。

最後に現役最強横綱刃皇にとってつけたように勝つのだが、その描写も非常に雑で、なんなんだよと思ったのだが、そこから4週ぐらいで終わったので多分打ち切りだったんだな。

打ち切りが決まったからか、後半はとにかく雑だった。前半は1試合3~5回ぐらいをかけていたのに、後半は下手すると半ページとか取り組みそのものが描写されないとかあった。

その割に潮が恋人の実家に挨拶に言ったり、ポっと出の新キャラの陰気な話に何周も時間をかけていたりかなりバランスが悪くて、正直最近ではこの漫画が嫌いになりかけていたぐらいだ。

大相撲篇は多分時間をかけてじっくり描こうと思ったのだろうけれど、相撲をとっていない時間が長すぎた。これは一体なにの漫画だよ?って部分も多くて、肝心の取り組みがおざなりになるという状態になってしまい、また大相撲の仕組み上番付が上の連中とは先にあたるようにしてしまって、しょっぱなに横綱に敗北、その次も敗北してしまったことで自然と横綱も二敗しないと潮が優勝できなくなってしまったために全てが崩れた。

なにせ、二敗した潮はもう負けないし、最強無敵なはずの横綱は二回負けないといけない。

横綱が負けたらそりゃあ潮の勝利も霞むし盛り上がらないよ。

そして今日潮が横綱を倒した訳だが、実質1週ぶんぐらいの回で無理矢理潮に勝たせてその瞬間に終わってしまった。

157cmの潮が大相撲で優勝するにはそれなりの説得力が必要だったわけだが、なんかわからないけれど潮は強くて、なんかわからないけれど潮は横綱に勝ってしまった。

少年ジャンプにはよくあることだが、主人公に無理矢理勝たせて説得力を失ってしまうパターンにはまってしまったのだ。

往年の名作「アイシールド21」なんかも同じようにヒョロクてガリガリな主人公をムキムキマッチョひしめくアメフトで活躍させようとしてめちゃくちゃになっていったけれど、火ノ丸相撲もその呪縛から逃れられなかったようだ。

正直大相撲篇楽しみにしていたんだよ。

特に潮以外の相撲をさ。

成長した力士たちがしのぎを削る様をもっと見たかった。

少年ジャンプでは勝敗がわからないライバル同士の戦いというのは非常に盛り上がる。主人公は勝たなければならないが、ライバル同士だと本当にどっちが勝つかわからないからだ。

でも、楽しみにしていた取り組みは悉くカットされて、ナレーションも入らず良くて1コマとかで終わった。

再度言うが大相撲篇は前半でグダグダしすぎた。しかも潮は勝たなきゃいけないから対戦相手の強さとか全く伝わらず、まるでベルトコンベアに載せられたかのように順番に負けて行った。

特にそれまで大相撲で活躍していたであろう力士はひどくて、1勝14敗とかにされていて、ベテランの威厳も何もないじゃないかと…

後は「天下三名槍」とは何だったのか…

強そうな感じで出てきておきながら蓋を開ければ。なんとか勝ち越し(1コマ)、負け越し(1コマ)、全敗(なぜか尺を沢山与えられた。そして人気低下の戦犯)とまるで救いようのない結果に終わった。

まるでハンター×ハンターの脱会長派の三人みたいな大相撲戦の迷走を象徴する存在だったとも言える。

一説にはもともとコミックスの売上が良くなかったが、アンケートはそこそことれていたのと、少年ジャンプ全体のレベルが落ちまくっているのでなんとか続けてこられたが、どうやらアニメが大爆死したらしいので打ち切りになったとか。

なので猶予は与えられていた方なのかも知れない。

最後は無理矢理っぽくではあるが最強の横綱を倒して優勝することが出来た。

思えばスラムダンクですら優勝は出来ていないのだから、恵まれた終わり方だったのかも知れない。

しかし来週以降、俺は何を楽しみに少年ジャンプを読めばよいのだろう?

これで読めるマンガがワンピースと鬼滅の刃とDr.stoneとアクタージュの4つになってしまった。鬼滅終わりそうだしなぁ…

ハンター×ハンター、頼むから帰ってきてくれ(><)