トイ・ストーリー4を観てきた!映画としては良かった!ただトイ・ストーリーとして良かったかは正直難しいと思った

トイストーリーは自分にとって特別な映画だ。

多分数千という映画を観てきたけれど、トイストーリーは自分の中ではトップ3に入る出来だと思っているし、好き度で言ったらトップに君臨する映画であると言って良い。

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だから「トイストーリー4」の存在には不安しかなかった。

だってそうだろう?

「トイストーリー3」は完璧な出来だった。

これ以上ない出来だったと思う。

3の時も不安でしょうがなかった。

自分の中で初代「トイストーリー」が完璧な出来だと思っていたからだ。

初代トイストーリーが公開された時、自分は小学生だった。映画も母親と見に行ったんじゃなかったかな?

あまりにもトイストーリーが好きすぎるので母親は珍しくトイストーリーグッズを買ってくれた。

今、ちょうど引越しの準備をしている。

部屋が2/3ぐらいになるので、実にたくさんのものを売り、多くを捨てた。

その時に買ってもらったトイストーリーグッズは一つとして売れなかったし、一つとして捨てられなかった。このままいくと墓場まで持っていくんじゃないかなとさえ思う。

だから続編なんていらないと思っていた。

でも、トイストーリー3は1では書けなかった物語を書いた。

ウッディにとって自分の命よりも大事なアンディとの別れ。

おもちゃとして生まれてきたからには必ず来てしまう持ち主との別れ。

トイストーリーは子供向けの物語であると同時に大人に向けた物語でもある。

誰しも小さいころはおもちゃと遊んだ。

でもいつしかおもちゃと遊ばなくなる。

おもちゃは思い出だ。

誰にでも小さいころはある。

トイストーリーはそんな思い出を掘り起こす映画だ。

おもちゃの側から見た我々。

それを見事に描き切った。

もうこれ以上必要ないんじゃないか?

昨日は全然寝れなかった。結局2時間ぐらい寝て映画を見に行った。

事前情報は全部カット。まっさらな気持ちで映画を観たかったからだ。

*以下はトイストーリー4本編のネタバレを含みますあらかじめご了承ください。

 まずホッとした

見終わった後、まず最初にホッとした。

トイストーリー4は決してトイストーリーシリーズを汚すような作品ではなかったし、「作らなければよかった」とは思わなかったからだ。

トイストーリーの続編を作るのは勇気が必要だったと思う。

全部が傑作というシリーズものはない。

多くの名作映画が続編を作ることでダメになっていったのを僕たちは知っている。

4を見に行くのには勇気がいった。多くの名作映画のようになったらどうしよう。

思えば最近のヒット映画は大体ディズニーが関わっている。

アヴェンジャーズ、スターウォーズ、トイストーリー

俺はトイストーリーと同じぐらいスターウォーズを愛しているんだけど、それでも8の出来には疑問符がついてしまう。それでももちろん9は見に行くが、9が歴代傑作を生上回るという期待はしていない。9に期待するのは8の挽回だ。

話が逸れた。

トイストーリー4の内容は賛否両論かも知れないが、それでも駄作でないのは確かだ。

トイストーリー4は製作のプレッシャーに打ち勝ったと言って良いと思う。細かい点については後々語るとして、及第点と言って良い出来だと思う。

バズ・ライトイヤーとウッディの別れ

最近はやたら涙脆くなってしまった。4を見ながら何度か泣いてしまった。冒頭ウッディを見た瞬間に泣いてしまったぐらいだから自分でも年をとってしまったと思う。まだ30代だけど、これからもっと涙脆くなっていくんだろうか?

中でもやはりバズとウッディの別れはやはりせつなかった。

ハンター×ハンターでゴンとキルアが分かれるシーンぐらいせつなかった。

初代トイストーリーでもバズが自分のことをおもちゃだと知るシーンとウッディがバズのことを「彼は友達なんだ、たった一人の」と言ったシーンは泣いた。思い出して今も泣いている。

ウッディとバズは最高の相棒である。スターウォーズのハン・ソロとチューバッカ並の名コンビである。

そんな二人がお別れをした。

これで良かったんかなぁ?

また二人は会えるんだろうか?

二人の別れには賛否両論あると思う。

正直自分は賛否のどちらと感じるかわからないでいる。

最後ウッディは自由意思でバズと別れた。

トイストーリーがラブストーリーになってしまった

1から3まではいわばおもちゃと人間の物語だった。

4はいわばおもちゃとおもちゃの物語だったと思う。

メインが何だったかというとボーとウッディのラブストーリーだったのではないだろうか。

この点も賛否両論ありそうだが、ラブストーリーとして考えた時に今回の終わりはハッピーエンドだったのではないだろうか?

もし3に完璧でない点があるとすれば、初代でヒロインだったボーがいなくなってしまったことだ。それも一言のセリフがあっただけで。

でもそれはそれでよい味を出してもいた。ボーは元々アンディのおもちゃではなかったし、アンディのような持ち主ばかりでないのは初代のシドの存在で明確にされていた。

だからこそバズやウッディはとても幸せであり、初代や2はハッピーエンドだったわけだ。

すべてのおもちゃが大切にされている訳ではない。

それは初代から続くトイストーリーの裏テーマでもあると思う。

ボーも結局は大切にされなかった。

ボーに関しては陶器じゃなかったっけ?という大きな疑問は残るがそれはそれとしてボーはおもちゃが辿る一つの末路をも体現していた。

そしてウッディはそれに寄り添うことにした。

なんだかまるでダスティホフマンの出ていた「卒業」という映画を思い出す。

ウッディにとってそれが良かったのかどうかは分からない。二人を待ち受ける未来は必ずしも明るくはないのかも知れない。

ボニーはウッディを大切にしていたか?

4に関して一番賛否両論がでそうなのはこの部分ではないだろうかと思う。

3で、アンディはウッディだけを連れて行く予定だったが、大切にしてくれそうということでウッディをボニーに託した。そのシーンで大泣きしたのは私だけではないだろう。思い出したらまた涙が出てきた。この記事を書いている時私は基本的に泣いている。

それはさておき、アンディにとってウッディは最高の友達であり宝物であったわけだが、それを託すというのはワンピースでシャンクスがルフィに麦わら帽子を託した行為に近い。謂わば信頼の証であり、新しい時代にかける行為である。

冒頭、ウッディはいきなり埃をかぶっている。

その後もボニーがウッディを大切にしている描写はない。

ウッディがいなくなった後もそれを気にしている様子はない。

フォーキーがいなくなって騒いでいたが、ウッディがいなくなったことを下手すれば気づいてすらいないのではないかとさえ思う。

3を観た人は、ウッディはアンディとところにいた方が幸せだったのではないかと思うのではないだろうか?

もしアンディと一緒にいたら、社会人になり、結婚し、その子供とウッディは遊ぶことが出来たかも知れない。

4に関してケチがつくのはこの部分ではないかと思う。

映画トイストーリーを好きな人は大体アンディが好きだと思うが、ボニーのことを好きじゃないと言う人は進撃の巨人のガビを好きじゃない人と同じぐらい多そうな気がする。

…ちょいちょい他の物語の話を入れてすまない。

ただ、メタ視点でみてしまうとこの部分は難しかっただろうなと思う。

ボニーがウッディを大事にし過ぎると別れられなくなる。別れる必要があったかどうかは分からないが…

4は3のアンチテーゼか?

「おもちゃは子供と遊ぶのが無上の幸せ」というのがトイストーリーの一貫したテーマであっただろう。

2では博物館に飾られそうになったウッディが大切なアンディのもとへ新しい仲間と一緒に帰っていった。

沢山の人に愛されるよりも本当に大事な人のそばにいることの方が幸せということでもあった。

3もこれを基本的には踏襲していたと言っても良いと思う。

3では保育園で乱暴な扱いを受けたアンディのおもちゃたちがボニーというおもちゃを大切する子供に受け継がれるところで物語は終わった。

4では最終的にウッディは多数の子供とこれから遊ぶであろうことが示唆される。子供はボニーだけじゃない。多くの子供たちに遊ばれることか、あるいは自由に生きることを選んだ訳だ。

その辺りはある種曖昧に示唆されるだけだが、1から3までのテーマと4はある種真っ向から対立していると言っても良い。

4のウッディは何より大切存在を失ってしまった存在だと言える。

ウッディだけではない。ボーもそうだった。

この辺りは先ほどのボニーがウッディを大切にしていたか問題を含めて4の巨大なテーマだったように思う。

そしてその巨大なテーマに解答が与えられたかというとその辺りはボカされたような終わり方であった。

3でウッディたちはアンディのそばにいるのがやはり一番の幸せだったのではないか?

4を見ているとそのように思えてくる。

あるいはウッディはおもちゃ博物館に行った方がよかったのではないかとさえ。

でも同時に愛する女性と過ごす未来も悪くないかも知れないとも思えてくる。

トイストーリー4の感想

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良くも悪くもスッキリしないしモヤモヤが残る終わりであった。

心の底からこれで良かった!という風には思えないけれど、でもこの終わりじゃ納得できないという訳でもない。

シリーズのファンであればあるほどある種のモヤモヤが残ったのではないだろうか?

少なくとも俺はかなりモヤモヤとした気持ちでいる。

でも見なければよかったかというとそうじゃないし、なければよかったかというとそうでもない。

フォーキーを初め新しいキャラクター達もキャラが立っていたし、相変わらずテンポは良い。凡百の映画から見れば十分傑作の部類に入るのは間違いないだろう。

シリーズとして考えず4だけを考えると非常に良かったと思う。それこそラブストーリーとしてみると非常に良かった。

バズとの別れは辛いが、最後にボーのもとに行くようにウッディに促したのはバズだった。

だがトイストーリーとしてみるとどうだったんだろう?という部分は残る。

恐らくは賛否両論の出来だったと思うが、じゃあ自分賛否どちらなのかというと見終わった今でもわからないぐらいだ。

トイストーリー4は映画としては最高だった。でもトイストーリーとして最高だったかはまた別の話であると思う。

ただ、完璧なハッピーエンドって訳じゃなかったけれど、でもいい映画だったと思う。

何よりも人の自由意思を尊重する俺としてはとても好きな展開ではあった。だからウッディとボー、そして仲間達にとってはあれで良かったんだ。

そう思うことにする。