「アベンジャーズ」を見たのでその流れでキャプテンアメリカの映画を観てみることにした。
「マーベルVS」シリーズのゲームをやっていたのでキャプテンアメリカにはまぁまぁなじみがあった。
なじみはあったけれど特に使ったことはなく、好きなキャラクターでもなく、ぶっちゃけ嫌いでさえあった。
なにせキャプテンアメリカと言えばダッさい感じの全身タイツで筋肉モリモリマッチョマンの変態というイメージしかないし、盾を装備して戦うとか意味不明だし掛け声はうるさいし、アメリカファーストの象徴みたいな感じだしとにかく嫌悪感しかなかった。
が、今回この映画を観て大分イメージが変わった。
マッチョイズムとは真逆だった
「世界の警察」を自称するアメリカのことだから強いアメリカのマッチョイムズの体現者なのかと思ったら全然違った。
時は第二次世界大戦中、キャプテンアメリカことスティーブ・ロジャースは正義感は人一倍強いのに全く体格に恵まれなくて、あげく喘息などの病気もあって兵役志願のテストに毎回落とされてしまう。
それでもあきらめきれなくて何度も志願する訳だが、何度も断られる。でもそんな様子を見ていて博士がある実験の被験者としてスティーブを選ぶ。
博士はドイツから亡命してきたみたいで、超人になれる血清の研究をしていて、スティーブを超人にできるという。
劇中では名言されていないんだけど、多分ユダヤ人で、アメリカに亡命して核の開発を行ったアルベルト・アインシュタインのメタファーなんだろうな。
スティーブの前に1人超人になった奴がいて、それが今回のラスボスであるシュミットな訳なんだけど、博士は潜入していたシュミットの手先に殺されてしまう。
ここでそんなに簡単にドイツのスパイが重要施設に潜入できるのかよ、警備甘すぎ!などと突っ込んではいけない。この映画には数限りなくつっこみどころが出てくるが、マーベルの映画に突っ込んではいけない。
とにかくスティーブは下手人から子供を助けてヒーローになったのだ。
その後戦場で暴れるのかと思ったら、戦時国債を売るためのマスコットになったりするが、なんやかやで戦場に向かい、捕えられた捕虜を助ける。この時空から探したはずなのにスティーブや仲間達が見つからなかったはずなのになぜか堂々とやってくることに不思議を感じてはいけない。
マーベルだから仕方がないんだ!
そもそもなんで直属の上官が女性なあげく美人なんだとかも疑問に思ってはいけない。美女の出てこない映画なんてもはや映画ではないんだ。
とか思っていると敵との闘いで戦友が死んでしまう。
敵の装備はともかく味方の装備も明らかに第二次世界大戦当時の水準をはるかに超えているけれどそれも気にしてはいけない。
全てはキューブの力だ!
キューブがなんやかんやしてアメリカ軍の装備もドイツ軍の装備も強化したんだ。シュミット率いる秘密結社ヒドラはナチスに逆らったような気がしたけどそんなことはなかったぜ。なぜドイツ軍はアメリカ軍のこともヒドラのことも放置なんだとかも気にしてはいけない。
最後はなんか敵が勝手に自滅してしまってキャプテンアメリカは敵と共に氷原に突っ込んで、気が付いたら70年間経っていた訳だが、そこに突っ込んではいけない。なんでそのままの若さで生きているんだ?冷凍されたからか?冷凍されたのになんで生きているんだとか考えてはだめだ。そんな奴に映画を観る資格なんてない。
アメリカ軍、キャプテンアメリカのことを探してやれよ!とかそういうつっこみもいらない。だってアメリカ軍がキャプテンアメリカを見つけてしまったらアヴェンジャーズに登場させられなくなるじゃないか!
ある意味アヴェンジャーズありきで作られているからか、最後がハッピーエンドだったのかどうかよくわからないね。ダンスの約束をしていた恋人とは結局会えなかった訳でさ。
そういう意味で従来的なスーパーマンのようなアメリカ型のヒーロー像っていうのは過去のもので、現代は本当に等身大の人間がたまたまスーパーパワーを持ってしまったっていうのがヒーロー像なんだろうな。
日本のアイドルも自分たちに近いほど応援しやすくて人気が出るっていうし。
キャプテンアメリカはいいキャラクターなんだよ
どうして超人化計画の被験者にスティーブが選ばれたか、その理由はとても良かった。スティーブは弱かったけれど誰よりも愛国心があったし、誰よりも勇気があった。
ドラクエにおいて、どうして主人公が勇者なのか?
それは勇者だけが強大な力を持つ魔王を本気で倒そうとしているからだ。
トミーリージョーンズが訓練兵たちに偽の手りゅう弾を投げ込んだ時、スティーブだけが他の訓練兵に被害が及ばないようにした。
アメリカのヒーローの根本は自己犠牲だ。
どれだけ時代が変わっても、そこだけは変わらない。
キャプテンアメリカはまごうことなきアメリカのヒーローなんだよ!!