宦官というのは、宮刑を処された男性であるが、その存在は中国史特有のものではなく、トルコの宮中においても重用された記録がある。 その役目は皇后などの皇帝の妃の世話であり、生まれてきた皇子の世話や教育であったりする。 皇帝の後宮は基本的に男子禁…
良しにつけ悪しきにつけ、唐の全盛期を現出した玄宗皇帝の時代は世界史においても特に興味深い時代である。 この時代における唐の盛衰ぶりはあらゆる映画の展開を越えていて、実に劇的である。 もし玄宗皇帝の人生を映画化したら、クライマックスはやはり安…
「傾国の美女」として世界的にその名を知らぬ者の方が少ない楊貴妃であるが、実際に国を傾けたのは彼女ではない。 調べれば調べるほど、実は楊貴妃というのは何もしてないということが分かる。 ではなぜ彼女が国を傾けたと言われるのか? それは彼女の親戚で…
人格形成ということを考えた時、幼年期から青年期にかけて出会った人間の影響は非常に大きい。 高校時代の世界史教師が声を荒げて秦檜の弁護をしていたのを、まるで昨日のことように思い出す。 今回は4000年を超す中国の歴史において最も嫌われている人物秦…
中国の歴史には実に300人にも上る皇帝が登場する。 その中の大半は暗君か暴君か傀儡と言った感じだが、その中でも際立った暗君が2人存在する。 秦の二代目皇帝胡亥と北宋の徽宗皇帝だ。 前者は「馬鹿」や「アホ」の語源にもなった人物で、宦官の言いなりにな…
世の中には、どうしても器用に要領よく生きられない人間がいる。 若くして科挙に首席合格し、滅びゆく王朝とその運命を共にした文天祥はその世界代表であると言えるだろう。
世界史には幾人かの英雄が存在する。 フランス革命後に稲妻のように出現したナポレオン・ボナパルトは世界史においても有数の英雄と言えるだろう。 そしてもう一人。 イギリス海軍の提督ネルソンもまた世界史における英雄だと言える。 最強対最強 古代ローマ…
よほどの三国志マニアでも、諸葛亮孔明亡き後から晋が中国を統一するまでのストーリーを知っていることは少ないであろう。 物凄く簡単に言えば、孔明の北伐を阻止した司馬懿が曹操の子孫達からクーデターによって魏の覇権を奪い、その息子達である司馬昭と司…
「竹馬の友」「断腸の思い」などの記事でも知られる東晋の有力者だった桓温という人物である。 残念ながら世界史の教科書などには一切出てこないが、中国史を語る上では非常に重要な人物であったりもする。
三国志には実に500人もの登場人物が出てくる。 ではその中でもっとも登場回数が多いのは誰であろうか? 三国志演義においてはやはり主人公の劉備玄徳であろうが、それに次ぐのが実は曹操配下の楽進である。
暴君と暗君は違う。暗君は国家の大事に何もせずにいて衰退もしくは滅亡を招く存在であるが、暴君は意図的か否かは別として政治に積極的に介入することで国の衰退や滅亡を招く。 前者の代表は宋の徽宗や明の天啓帝で、後者の代表は隋の煬帝や秦の始皇帝であろ…
歴史というのは一定のリズムを繰り返す音楽のようなところがある。 中国の歴史においては巨大な統一王朝が興るとその末期には大規模な反乱が起こり、その王朝は滅亡していく。 秦時代の陳勝・呉広の乱、漢の赤眉の乱および後漢の黄巾の乱、唐の安史の乱はも…
人が生きる現世には数えきれないほどの不幸が眠っている。 人は高いところから落ちた時ほど衝撃が大きくなるものだが、そういった観点から見ても各王朝の最期の皇帝は悲惨だ。 有名なのは三国志に出てくる後漢最後の皇帝献帝であろう。 彼個人は利発であった…
人類の歴史は虐殺の歴史でもある。 近年ではナチスヒトラーによるユダヤ人大量虐殺が有名だが、歴史を見ると人類は実に多くの虐殺を行っている。 中国の歴史においても大量虐殺がしばしば行われているが、明末清初を生きた張献忠はその事情が少し異なる。
人類の歴史には、たびたび裏切り者が登場する。 日本史における小早川秀秋やカエサルに恩がありながら暗殺の実行をしたブルータス、イエスを売り渡したユダなど。 しかし意外なほど中国の歴史においては裏切り者は少ない。三国志の呂布のような奴はいるが、…
中国の歴史はしばしば宦官によってその形を歪めてきた。 有名なのが後漢時代の党錮の禁で、伝統的な漢における官僚登用制度「郷挙里選」で採用された清流派の官僚たちを宦官が弾圧した事件で、多くの有能な官吏が死に、それは黄巾の乱が起こって初めて解除さ…
長い中国の歴史において、武力的に見れば最盛期は漢の武帝の時代、文化的に見れば明代がその最盛期であったと言えるだろう。 四代奇書と言われる三国志演義、水滸伝、金瓶梅、西遊記もこの時代に花開き、書、絵画、戯曲など現在にも伝わる傑作が数多くこの時…
今さらながら「ビューティフルマインド」を見た。 この記事を書いている2019年6月現在アマゾンプライムで見られるのでまだ見てない人は是非見て欲しい。 ビューティフルマインドの感想から ジョン・ナッシュの生涯 ジョン・ナッシュの生涯について思うこと
春秋時代と戦国時代には無数の兵法家が出現した訳だが、その中でも特に評価が高いのが「孫子の兵法書」を書いた孫氏と「呉子」の著者である呉起の二人だ。
周の没落より500年近く続いた春秋戦国時代はある一人の人物によって突如終わりを迎える。 彼の名は秦王政。 のちに秦の始皇帝と呼ばれる人物である。 なぜ始皇帝が中華を統一し得たかにはいくつかの理由があるが、その中でも最も大きいのが秦という国の国力…
中国の春秋時代には五覇と呼ばれる有力な諸侯が存在した。 www.myworldhistoryblog.com 春秋時代が終わり、周の影響力が皆無になった戦国時代においては、時に諸侯をも上回る人物たちが登場すし、彼らは戦国の四君と呼ばれるようになる。 「鶏鳴狗盗」で有名…
春秋時代が終わりをつげ、中国はさらなる戦乱の時代に突入した。 終わりなき戦いが続いたその時代を戦国時代という。 そのような時代にあって戦国四君と呼ばれる4人の猛者たちが誕生する。その筆頭が今回の主人公である田文こと孟嘗君だ。
中国歴代名将の中でも特に功績が大きく、また人気が高いのが霍去病という将軍だ。 わずか24歳で死去するまでの間に立てた功績は数知れず、その豪放磊落な性格は当代のみならず後代からも愛された。
一代で平民から皇帝になる例は少ないが、一代で将軍になる例もまた少ない。 人類の歴史においては封建制社会が多く、身分制度によって階級化されるのが常だ。日本の戦国時代を考えてみても、秀吉や斎藤道三などの一部を除き登場人物のほとんどが名門貴族およ…
世界史には多くの歴史家が存在する。ローマ史家として有名なエドワード・キボンやノーベル賞を受賞したテオドール・モムゼン、歴史の父と呼ばれるヘロドトスに東方見聞録のマルコ・ポーロ、資治通鑑を書いた司馬光、日本では三国志を書いた陳寿が有名かも知…
世界の歴史を考えた時に、兄弟が共に歴史の教科書に載るほど有名になるという例はそれほど多くない。 孫権・孫策兄弟などは日本でも有名だが、世界史の教科書には悲しいかなほぼ出てこない。日本の秀吉と秀長兄弟なども有名だが、世界レベルで見ると秀吉が少…
始皇帝が「皇帝」を名乗ってから清のラストエンペラーが退位するまで中華史上には300人もの皇帝位を持つ者が存在した。 その中で最高の名君を決めるとなると候補は三人に絞られる。 清の康熙帝、宋の趙匡胤、そして後漢の創始者光武帝の3人だ。 今回はそんな…
ゲーム、好きか? 俺は好きだぜ! ゲームが好きっていうと印象が悪いんだけど、我が国が世界に誇れるものってそんなにたくさんなくて、ゲームに関しては明確に世界に誇れる分野だと思うんだよな。 3か月前の「映画ベスト100」以来、月に一度のベスト100シリ…
孔子の著作である「春秋」から名前を取った春秋時代が始まったのは紀元前770年、周王朝が東西に分裂したところから始まる。 中華帝国、主に黄河文明は周を中心とした封建制度を維持できなくなり、諸侯は独立し、大小さまざまな国が生まれた。
越王勾践を春秋の五覇に入れるかどうかは古来より論争のあるところで、史記を始め勾践を五覇に入れていない書物が多く、彼を五覇に入れているのは実は荀子ぐらいである。